支援方法1 母語話者参加

子どもの母語を話す支援者が教室に参加する場合、日本語話者と母語話者が連携で支援をします。連携支援の一回の授業は、母語による先行学習と日本語による学習の二つの場面から構成されます。なお、子どもLAMPによる支援授業は、子どもの通う学校の授業の予習として位置付けられます。

下記に紹介する例は、母語話者と日本語話者が連携支援を進めていったものです。

具体例
支援教科国語(「大造じいさん」『国語 小5』)
対象者小学校5年生(中国語話者)
日本に来て3ヶ月。日本語がほとんどできなくて、国語などの授業の理解に極めて困難を感じている。
支援者母語話者(LAMPメンバー、留学生)

支援のプロセス

1 支援内容を決める

2 学習資料を用意する

母語による学習材料(母語話者が担当する)

日本語による学習材料(日本語話者が担当する)

3 支援授業を行う

連携支援の意味

母語による先行学習場面で使われる教材は、日本語による学習場面で使われる教材の母語訳文や、母語要約文である。このように、前者の学習が後者の学習と有機的に関連づけることが可能となる。詳しくいうと、以下のことになる。

  • 母語による内容理解をテコとして、日本語による学習の理解度を高め、教科学習と日本語学習の促進を図ることができる。
  • 在籍学級の教科学習と関連づけた母語による学習は、継続的な母語学習の機会を提供することにより、母語の保持・伸長を促進することもできる。
 

小学生・中学生を対象に、年間30人ぐらいの子どもへの学習支援を行っています。彼らの母語は、中国語、英語、タガログ語、韓国語等です。