母語と日本語の必要性
私たち子どもLAMPでは、日本語を母語としない子どもたちの言語学習には、日本語だけでなく、彼らの母語も必要であると考えます。
現実の状況から
日本で、母語を学ぶ機会を失った子どもたちは、母語をどんどん忘れていってしまい、母語の力が弱い上に、日本語力も日常会話が話せる程度で、授業を理解するくらいの日本語のちからが身についていないことが多くみられます。どちらの言語も中途半端なので、考える力である認知力の発達が難しくなります。
調査研究の結果から
今までの調査研究から、二つの言語は、相互依存の関係にあって、一つの言語で獲得した知識は、もう一つの言語に転移できるといわれています。このことから、母語を促進することが、子どもの日本語の力を伸ばすことにも良い影響をもたらすということが言えます。また、母語は子どもの一番初めに覚えた言葉なので、子どもの情意面や文化面の発達においても重要な役割を果たすとも言われています。
子どもたちの母語を無視した日本語学習は、子どもたちの健全な言語発達に障害をもたらすことがあります。日本語を母語としない子どもたちにとって、母語の力の基盤の上に日本語の力をつけること、母語の力と日本語の力を同時に発達させることが必要なのです。